青木屋

青木屋ひとがたり

hitogatari

青木屋の菓子は、“つくる人”と“売る人”の
熱い想いで出来ています。
菓子や接客へのこだわり、お客さまへの
メッセージを語ってもらいました。

お菓子づくりは、私の天職。
そう思える仕事に就けて
幸せです。

製造1課 竹尾マネージャー

モノづくりが好きで菓子づくりに興味を持ち、20代で洋菓子の世界へ飛び込んだという竹尾マネージャー。パティシエとして洋菓子店で10数年修行。その後、より体に優しい和菓子の世界で働きたいという思いで青木屋に入社。今回は、約20年に渡って青木屋の商品開発部門で和菓子の新しいおいしさを追求し続けている竹尾マネージャーの“和菓子愛”をじっくりと聞いてみました。

青木屋の魂は『自家製餡』。
この美味しさは、人と機械の進化
から生まれる。

青木屋の強みは、それぞれの菓子と相性の良い自家製餡を開発している点です。青木屋の商品は生菓子だけではないので、餡は出来立てが美味しいだけではダメ。日持ちさせたい菓子には、時間が経っても美味しい餡を考えます。餡は青木屋の核であり、ブランド価値を高める大切な存在。季節によって小豆を戻す水の量も時間も変わってくるので、四季を感じながら餡をつくります。歴史を重ねると同時に、餡づくりも進化して機械化した部分もありますが、昔から職人が経験で見極めてきた水の塩梅、餡がトロッと落ちる速度など、人が手をかけてこそ出せる細やかさも大切です。機械化が進んだ工場でも職人の味を出せるよう、進化した機械と一緒にそこで働く我々も進化していこうと努力しています。

くろどらなどに合わせられる粒餡。北海道羊蹄山の小豆を仕入れて使っている。
早朝から、生の小豆が「うまみ炊き込み製法」でじっくりと炊き上げられる。

コストを下げずに
美味しさを優先する、
青木屋の菓子づくりマインド。

素材同士の相性など基本的な知識はもちろんありますが、最後はやはり長年さまざまなお菓子をつくり食べてきた“感覚”が大事です。クリーム単体で美味しいものを「武蔵野日誌」の生地に入れたらどうか?チョコを入れたら?フレーバーがもっと感じられたほうがよいか?など、段階を経て最終形を導き出します。洋菓子づくりの経験ももちろん生きていますし、長年、和菓子をつくり続けてきた先輩から学ぶこともたくさんあります。青木屋の菓子づくりは「美味しいものをつくろうよ」というところから始まります。材料にこだわり、美味しいものができたら、そこから原価を下げるという発想がありません。コストより美味しさを優先するスタンスは、働いている私もすごいなと感じるところですね。

「渋皮モンブラン大福」のモンブランクリームは、大福とのマリアージュを求めてフレーバーを整えながらつくっていく。
(左)期間限定の「武蔵野日誌ストロベリー」のクリームから、美味しそうな苺の香りが漂う。
(右)「いちじくとキャラメルケーキ」は、美味しさを追求し、こだわりの材料で開発された

お客さまの「美味しい」と、
自分が感じる「美味しい」が交わる幸せ。

なんと言っても菓子づくりの醍醐味は、自分でも「美味しい」と思うものができた瞬間、お客さまに「美味しい」と言っていただけた時です。青木屋の新商品は、何度も話し合い試行錯誤を繰り返して生まれます。お客さまが商品を手に取り「美味しい」「大切な人に贈りたい」と思っていただけたら、それは何にも変えがたい喜び。天職と思える仕事に就けた自分は、本当に幸せだと思います。

青木屋の命は、餡にある。だから、いつも丁寧に扱う。

お客さまからの声をヒントに、
お客さまの期待を超える味を。

自分がつくりたいものをつくるというよりは、「こういうものを食べてみたい」「これが美味しかったから使ったらどうか」という声を大切にしています。一緒に働く仲間の声も大切。たくさんの人の意見を取り入れるのがひとつのスタイルです。たとえば、2022年4月から期間限定で発売した『抹茶大福どら』ですが、季節ごとの大福どらを展開したら、年間を通してお客さまに楽しんでいただけるのではという声から開発しました。秋の栗から始まり、冬はチョコ、そして春には新茶の季節なので抹茶。夏にはベリー系を使った大福どらを考えています。それ以降も、続々と誕生する青木屋の新しい菓子を、楽しみに待っていてください。

試作中はメモも欠かせない。微妙な分量の調整などを書き込んでいく。

竹尾マネージャーからの
メッセージ

私自身が店頭で直接お客さまとお会いすることはほとんどありませんが、
いつも大切にしているのは、菓子を食べる人の笑顔です。
お客さまの要望に出来る限りお応えし、その時々必要とされる
菓子づくりをこれからも続けていきます。

洋菓子担当の竹尾マネージャー(左)と和菓子担当の浦野マネージャー(右)。
青木屋の味をつくっているキーパーソンの二人。

美味しい菓子と楽しい会話が
あふれる店。
これからもお客さまに愛される
青木屋をつくりたい。

府中けやき並木通り店 冨田店長

実は、元プロ野球選手が福島県会津若松で経営するホテルで、マネージャーとして接客業をゼロから学んだ異色の経歴を持つ、府中けやき並木通り店の冨田店長。2011年9月、青木屋に入社。右も左もわからない和菓子の世界へ飛び込み、学生時代の野球経験で培ったチーム精神を大事にした店づくりで、半年後には店長に抜擢。以来、府中けやき並木通り店を人気店に成長させてきた、冨田店長独自の店づくりについて熱く語ってもらいました。

パートナーさんとの触れ合いが、
お客さまにとって
心地いい店につながる。

青木屋では、以前からパートさんもアルバイトも全員「パートナーさん」と呼んでいます。一緒に働く人たちは区別なく仲間である、ということだと私は解釈しています。一人では決して出来ない仕事なので、パートナーさんが働きやすい店にしていくことをいつも考えていますね。その日一緒に店に立つパートナーさんには、一人ひとりに声をかけて様子を確認します。その触れ合いが、お客さまとの接客につながります。店長はあくまで脇役。仲間がいてお店が成り立つという考え方は、学生時代の野球経験でチームプレーの大切さが染みついているからかもしれません。もうひとつは、パートナーさんのお友達に気軽に来てもらえる店にすること。パートナーさんにとって大事なお友だちに勧められるお店であれば、そこに活気が生まれ、活気のあるお店には入りやすい雰囲気ができると考えています。

いつも小まめにコミュニケーションを取る。それが、お客さまへの接客の細やかさにつながる。

お客さまのご要望は十人十色。
皆さんに満足していただきたい。

お客さまに満足して帰っていただくことを大切に考えています。誰にどのようなシチュエーションでお渡しする菓子なのか、ご自分用なのか、同じ菓子でもお客さまによって用途がさまざまです。ですから、お客さまのお話をよく聞くことも私の仕事。特にマニュアルがあるわけではありませんが、パートナーさんたちも、それぞれが自分のスタイルでお客さまと会話しています。お客さまも会話を楽しんで、また来てくださる。菓子だけでなく、会話も提供しているのが青木屋だと思います。また青木屋の菓子は、幼稚園・保育園の卒園記念品、高校の文化祭で校章を焼印した饅頭をつくりたいなど、いろいろな用途でお使いいただいていますので、これからもお客さまのご要望に柔軟にお応えできる菓子店であり続けたいですね。

お客さまお一人おひとりが求めていることを、丁寧にお聞きする接客。

お客さまに喜んでいただける
瞬間が、最高に嬉しい。

パートナーさんが接客をしていて、お客さまに褒められているのを目にした時が、一番嬉しいです。たとえば、包装が上手になったパートナーさんがお客さまに褒められているのを見ると「ああ、成長してくれたな」という親心に似た気持ちになりますね。「青木屋の菓子が好き」と言っていただけたときも嬉しいですね。「くろどら」は武蔵野の代表的な菓子で、毎朝、焼き立てが店頭に並びます。焼き立てのフワフワ感は格別なので、その味を求めて開店時間に来店してくださるお客さまもいます。「出来立てが美味しかったから、また買いに来たよ」と言ってもらえると本当に嬉しいです。

毎朝、店頭に並ぶ「日々是くろどら」は、青木屋の代表的な人気菓子。

もっと伝えていきたい、
青木屋の楽しみ方。

青木屋の菓子はすべて自社製造。長年愛される「武蔵野日誌」や、昔ながらの味を大切にした看板商品「日々是くろどら」と、つねにその時代にあった新しい商品をつくっています。毎月新発売され、火曜と土曜しか店頭に出ない数量限定の「ひといき入れま撰菓」という菓子もあり、来るたびに発見と楽しみがあるのも青木屋の魅力です。自社配達というサービスも自慢の一つですね。当店であれば府中市内限定ですが、その日作ったものをその日のうちに無料でお届けできるので、老人会のお誕生会などでもよくご利用いただいています。

「武蔵野日誌」は青木屋で最も人気のある商品。ご自宅用に、贈り物におすすめ。

冨田店長からの
メッセージ

青木屋は長い歴史があり、昔から府中にお住まいの方の中には
「子どもの頃、ここでお団子を食べていたよ」というお客さまが
お孫さんとご来店されたりします。この建物が立つ前の街並みについて、
私より詳しいお客さまもいらっしゃいます。
私ももっとこの街を好きになって、
皆さまに愛される青木屋をつくっていきたいと思います。

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